寛解後に出会った夫は、偶然にも心理学を専攻していた人でした。
精神疾患は薬では治らないということを知識として大学で教えてもらっていたそうです。
それを聞いて、私自身が看護の大学で学んだ薬や治療の側面は一面に過ぎないことを実感しました。
精神疾患の治療を6年かけて死にそうになりながら学んだことを、自分は知識として辿り着いていなかったのかと思うと少し切なくなります。
そんな夫に数年かけて指摘されていることがあります。
「なぜ努力できそうなところで諦めてしまうの?」と。
指摘された通り、私は時間にルーズだったり、資格試験の勉強を諦めたり、「何かを諦める」ことに慣れきっていて、「劣っている自分はできなくて当たり前」と潜在的に思い込んでいました。
「はるかならできるのに、やろうとしていないでしょ?」
そう言われて、本当にその通りすぎて大泣きしました。
同時に、「あなたは劣った存在ではなく、考えて行動する力がある。」と、夫が必死に伝えようとしてくれていることに気がつきました。
精神疾患だからと人から馬鹿にされたり、煙たがれたり、離れられたりすることに完全に慣れきっていたので、こうやって大切にされるのは不思議な感覚でした。
そして、それからは様々なことに挑戦してみようかなという気持ちになれました。
自分の体力や時間には限りがあるので、優先順位をつけながら生活すると意外と達成できることもあり以前より自信を持つことができています。
現在闘病中の方には「できる!」と信じることが場合によっては難しいかもしれません。私の経験だと服薬中の時は体力、気力が0に近いまま生きるのが精一杯でした。
なので、無理はしてほしくはないのですが、何かを諦めそうになっている時は「できるかも!」と信じてみると意外とできたりするかもしれません。
うまくいかなかった時は原因を分析して、次に繋げる経験にすることができるでしょう。
失敗しても落ち込んだり、病気のせいにする必要はなく、「生きていても大丈夫」です。
完璧な人はいないですが、失敗しながらも人は進んでいけるはずです。
読んでくれた方達が、もし闘病中に自信を無くしてしまっていても、自分を大切にするきっかけを掴んでもらえたら嬉しいです。